【きんつう相談室 活動報告】線維筋痛症学会で発表&参加 第2弾

線維筋痛症学会で発表&参加して

2019年10月5日~6日に行われた「日本線維筋痛症学会第11回学術集会」で発表&参加しました。

興味深い演題が沢山ありましたので、第2弾をお知らせします。

※第1弾はこちら↓↓↓

【きんつう相談室 活動報告】線維筋痛症学会で発表&参加 第1弾

【改善した例】から学び、治療へつなげる

線維筋痛症が改善した例は皆さま関心があると思います。

学会では、様々な発表があります。改善した例は皆で共有して、治療に生かすことが出来るのです。

心理カウンセラーの志和先生の発表がありましたので、ご紹介します。

心理カウンセラー 志和 悟子先生の発表

タイトル 「患者会(集団心理療法)が患者に与える効果~個別・集団心理療法を併用した線維筋痛症患者の一症例~」
発表者 志和 悟子(千代田国際クリニック)

 ※集団心理療法とは?
 この発表での集団心理療法とは、クリニックが定期的に行っている複数の患者さんが参加する会です。

 医師、カウンセラーが全体を指導します。

 交流会とは違うの?

 患者団体が行う交流会は、ピア(患者)カウンセリングと呼ばれ、医療者がいない点が違います。

 それぞれの良さはありますが、ここでは集団心理療法に合わせて個別カウンセリングを併用した例が発表されました。

◇患者さん : 50代女性 BMI 27.5  
◇経過 : 16年前に痛みが出現。うつ病と診断され2ヶ月ほど入院。仕事は休職中。当クリニックに受診して反応性低血糖であることが判明。うつ病と考えられていた症状は、低血糖による症状であると考えられる。集団心理療法と患者会にて食事の仕方や運動を学び、個別カウンセリングを併用し社会復帰に向かっている。

 患者さんは仕事に復帰したいと望まれていて、食生活の見直しや運動にも熱心に取り組まれた方だった。

 大変几帳面な方でしたので、リラックスすること、生活の中で安らげる時間を作ることも大切だった。

 自然や植物が好きだと言われていましたので、生活環境の中で生かすことを考えた。

 個別カウンセリングでは、自らの大切なことについて語ることができ、安心感と自己洞察が深まった。

 当院制作の生活習慣見直しノートを活用し、個別的な習慣についても見直しを行った。

 集団心理療法にて自分の痛みや日常の困り事を積極的に周囲に自己開示し、共感し合う姿が見られた。

 その結果、患者さんは復職を決意し、リハビリに前向きになった。

 自らがうつ病と誤診され向精神薬から脱出するまでの体験は、同じような苦しみを持つ人に伝えたいと思うようになった。

◇考察 : 患者の心の中にあった「自分はうつ病では無いのではないか」と言う疑念が晴れ、生活習慣を見直せば治ると言う希望が生まれ、それが積極的な治療につながったのではないかと考えられる。

 その希望を個別、集団心理療法の中で形にすることができ、復職と言う大きな一歩につながったのではないかと考えられる。

発表を聞いて…まとめと感想

低血糖を防ぐためには食事療法が必要です。

難しいことに取り組むよりは、ヒントやアドバイスを生かしながらこまめに気を付けます。

食事療法と併せて運動療法を行い、無理の無い運動やストレッチから始めて、少しずつ体力作りを行います。
線維筋痛症の患者さんは痛みがあったり、長時間座れないなどが原因で、活動時間が大変少なくなっています。

そこで!

★ポイント★ 動けるようになるためには?

・まず、エネルギーを正しく補給する。

・筋の緊張をほぐしてスムースに動ける状態を作る。

・少しずつ活動時間を延ばして自信を付ける。

など、段階的に進めていくことが大事です。
 

きんつう相談室

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